AIスピーカーではトヨタ自動車と提携

AIアシスタント「Clova」の展開も始まっています。LINEは2017年にスマートスピーカー「Clova WAVE」「Clova Friends」をリリースしました。アマゾンの「アレクサ」、グーグルの「グーグルホーム」と同様のスマートスピーカーを手がける日本企業はLINEだけです。

サードパーティの企業や個人が利用できるソフトウェア開発キットを公開したことで、Clovaで利用できる機能(スキル)は120以上に増加しています。スマホ上のコミュニケーションアプリとして成長してきたLINEですが、AIアシスタントを「スマホの次」のプラットフォームとして捉えていることは、間違いありません。

Clova利用シーンの拡大のため、トヨタ自動車と組んだことも特筆すべきニュースです。2018年12月発売の新型車から、Clovaを車内で利用できるサービス「ClovaAuto」がスタートしました。運転中でも音声入力によってLINEメッセージの送受信や、音楽再生、目的地の天気を調べたりすることができる機能を提供します。

LINE証券は野村、LINE銀行はみずほと組む

この提携には、LINEにとっては「クルマの中」という新たな空間に進出する狙いが、またトヨタ自動車側にはLINEユーザーに多い若者を取り込む狙いがあります。すでにアマゾンのアレクサを搭載したモデルを発表済みのトヨタにすれば、LINEはワンオブゼムのパートナーに過ぎないかもしれません。それでも「天下のトヨタ」と組んだという事実はLINEにとって大きな意味を持ちます。

後述しますが、LINE証券の設立にあたって提携した野村證券、LINE銀行(LINE Bank)設立に向けて手を組んだみずほ銀行にしても、堂々たるビッグネームです。LINEは東証一部に上場しているとはいえ、まだまだ新興企業です。各業界のトップと組んだことは極めて大きなアセットになります。自社単独ではなかなか入り込めない市場に進出するにあたっては、最大の武器になることでしょう。

ちなみに、フィンテックやAIと並んで「その他事業」に含まれるものにLINEモバイルがあります。2016年に格安SIM事業に参入したものの、NTTドコモなど大手の値下げの余波を受け、シェア獲得が滞りました。2018年1月には、ソフトバンクとの戦略的提携を発表しました。ソフトバンクがLINEモバイルの株式を51%取得し、現在はNTTドコモから借りている回線をソフトバンクに切り替えることになりました。