ルートインは「駐車場の充実」でダントツ

ホテル選びにはアクセスも見逃せない。電車の場合は駅から近いことが、車やバイクの場合は駐車場・駐輪場のスぺースがポイントになる。「交通の便」の良さでは、駅前立地が多い東横インとワシントンの評価が高い。ルートインは「交通の便」では評価がふるわないが、高速道路の出入り口付近やロードサイドに立地していることが多く、「駐車場・駐輪場の充実」の評価はダントツだ(図表5)。

【図表5】交通の便では東横インとワシントンホテルの評価が高い(画像=小倉高宏)

ホテルに到着すると、チェックイン手続きや精算などの手続きがある。そうした手続きの迅速さでは、コンフォート、スーパーホテル、リッチモンドの評価が高い。コンフォートは以前の仕組みでは、「リアル」なTポイントカードや紙のクーポン券の提示が必要だった。現在はウェブ予約の段階で、ポイント付与やオンラインクーポンでの値引きを済ませるなど、チェックイン時の手間がスリム化されている。

スーパーホテルはチェックイン時にフロントのタブレット端末にサインするだけで、ノーチェックアウトであるため、手続きそのものが少ない。会計の速やかさでも高評価のリッチモンドはフロントスタッフが予約内容の照合を終えると、会計が必要な宿泊客のみがフロント横に設置された精算機に向かうシステムだ。そのため、チェックイン客が同じ場所に滞留することにより生じる「フロント渋滞」が緩和されている(図表6)。

【図表6】コンフォート、スーパーホテル、リッチモンドが高評価だ(画像=小倉高宏)

混雑を感じにくいリッチモンドの設計

「客室レイアウトの利用しやすさ」では18平方メートル以上の広めのスペースが確保されているリッチモンドとダイワロイネットが高評価だ。ビジネスホテルではバス・トイレが一体型のユニットバスが主流だが、リッチモンドではバス・トイレ・洗面台の3点独立型の客室を増やしている。こうした点もリッチモンドの客室が評価されている理由である。

ダイワロイネットは、レディースルームを備えていることが特徴だ。滞在時間についても、ビジネスホテルは「15時チェックイン、10時チェックアウト」が多いが、リッチモンドとダイワロイネットは、「14時チェックイン、11時チェックアウト」を基本としており、時間的にもゆったりしたい利用客にはうれしいサービスだ。

「館内の落ち着き(混雑の少なさ)」では、リッチモンドの評価が高い。リッチモンドはフロント周辺が広いため回遊性が高く、また、エレベーターホールも広いため、乗降時の顧客動線の交錯が少ないなど、混雑を感じにくい設計になっている(図表7)。

【図表7】リッチモンドとダイワロイネットの評価が高い(画像=小倉高宏)