AKBグループの「恋愛禁止」という建前は画餅に
一時は、CDや写真集が売れ、総選挙というバカ騒ぎが視聴率を稼ぎ、紅白にまで進出したから、出版社もテレビ局もAKB様様で、フライデーなどは上からAKBスキャンダルはやるなというお達しが出たと聞いた。
従って、スキャンダルは文春の一手販売となったが、それでもあきれるほどメンバーの色恋沙汰やスキャンダルが次々に暴露され、AKBグループの「恋愛禁止」(秋元本人は否定しているが)という建前が画餅であることを広く知られてしまった。
さらに驚いたのは、AKBが所属していた芸能事務所の取締役を務めていた人間が、控室やトイレなどを盗撮していたと文春が報じたことだった。
その人間は事務所を辞めてから、小学生へのわいせつ行為で逮捕され、実刑判決を受けたといわれる。その時、問題の盗撮ファイルも見つかったそうだが、なぜか事件化しなかった。どこか今回の事件と共通している気がするのだが。
このままいけば天才・秋元康の晩節を汚すことになる
ブームは必ず下火になる。去年のAKB総選挙の視聴率は芳しくなかったそうだ。2005年に秋葉原で産声を上げたAKB商法にも、陰りが見えてきたと思う。
AKBグループのメンバーの多くが卒業していった。だが、卒業後もスターであり続けるのはごくわずかだ。その多くは、芸能界から去っていくか、栄光の日々を懐かしく思いながら下積みに甘んじている。なかにはAV業界で「
縷々述べてきたように、こうした危ういやり方を続けていけば、必ず、岩手で起きた惨事や新潟で起きたような不祥事が再び起こることは間違いない。
このままいけば天才・秋元康の晩節を汚すことになる。潔く会見を開いて、この商法の危うさを認め、すべてのグループを解散すべき時だと、私は思うのだが。(文中敬称略)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任する。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『編集者の教室』(徳間書店)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)などがある。