不支持率が支持率を上回る「危険水域」に
18日の閣議では、今後の防衛力整備の指針となる「防衛計画の大綱」と防衛装備品の見積もりを定める「中期防衛力整備計画(中期防)」を決定。海上自衛隊の護衛艦「いずも」を事実上空母化する方針を打ち出し、専守防衛を逸脱するのではないかという批判を浴びている。
当然のことながら、安倍政権の支持は落ちている。
共同通信社が15、16の両日に行った全国電話世論調査によると、内閣の支持率は42.4%で前月と比べて4.9ポイント減。ことし5月の調査以来、久しぶりに不支持率が支持率を上回った。不支持率が支持率を上回るというのは政権としては政権が「危険水域」に入ったことを意味する。
他の報道機関の調査も傾向は同じだ。毎日新聞の内閣支持率は4ポイント減の37%。日経新聞は4ポイント減の47%。読売新聞は6ポイントも低下して47%だった。
共同通信社の調査では、辺野古への土砂投入を「支持しない」が56.5%と過半数を占めた。また改正入管難民法を成立させたことも「評価しない」が65.8%だった。臨時国会終盤の運営や辺野古への土砂投入などの「12月の横暴さ」支持下落につながったのは言うまでもない。
「年が明ければ状況は変わるよ」と余裕なワケ
しかし安倍氏は最近、周辺にこんなつぶやきをしているという。
「年が明ければ状況は変わるよ」
この余裕は、どこから来るのか。「危機感がない」と決め付けるのは早計だ。安倍氏も含め政府・自民党首脳は支持率の低下に神経をとがらせている。その上で、年末に世論の批判を受けそうな決断を繰り返しているのだ。
来年は政治決戦の年だ。4月に統一地方選がある。7月には参院選が控える。特に参院選は、憲法改正を目指して改憲勢力の3分の2維持を死守したい安倍氏にとっては負けられない戦いだ。