物議をかもした書籍も勝利の自信
戦略書から学んだことは、「ビジネスパーソンは常に勝たなければいけない」ということです。だから、勝ち目のある戦いしかしてはいけない。私が書いた『理論近現代史学II』も中国から非難され、ずいぶん物議をかもしました。しかし、私には負けない自信があった。本の内容は、決して思い込みではなく、史実をくわしく調べ、理論武装していました。攻撃されても反論できるように備えていたんです。
「負けるなといわれても、弱い人間はどうしたらいいんだ?」と思う人がいるかもしれません。心配はご無用。ランチェスターは、「弱者の戦略」も教えてくれます。相手よりも数が多いときは集団で戦い、数が少ないときは一対一の戦いに持ち込むべきであると。
どんな人でも1つや2つは取り柄があるはずで、それを武器にすればいい。お金も経験もない若者は、ベテランに太刀打ちできないと思うかもしれません。しかし、若者にはあり余る時間や体力があります。そうした強みを生かせるフィールドで全力投球すれば、道は必ず開ける。ぜひみなさんも戦略書から、自分なりの「人生の勝ちパターン」を見つけてください。
▼Recommended Books
元谷外志雄が薦める 勝ち方を教えてくれる+1冊
『君主論』●マキアヴェッリ/岩波文庫
中世イタリアの外交官、マキアヴェッリが著した戦略書の決定版。背徳や力による支配を肯定し、「悪魔の書」とも呼ばれるが、政財界のトップには愛読者も多いという説も。
アパグループ代表
1943年、石川県生まれ。71年、信金開発(アパグループの前身)を設立。現在、マンション、ホテル、リゾート事業など、19の企業からなるアパグループの代表。