「営業が頑張って数字を上げますと張り切っても、具体的にどう行動するかが抜け落ちていることがよくあります。営業成績を上げるために、まず見込み客をリストアップする、次に魅力的なDMを作成するなど、一つ一つ、具体的な行動レベルをイメージすることが段取りの肝です」

写真=iStock.com/Jirsak

ゴールを設定したら必ず小さなステップを刻んで考えることが大事だ。そのとき意外に難しいのが一歩目の踏み出しだ。

吉山氏にも経験がある。ラスベガスで開かれている世界最大級のダンスミュージックフェスティバルのライセンスを取得し、日本に持ってくるプロジェクトを任されたときのこと。他の日本人もすでにオファーしていたが、上手くいっていなかった。

「周りからはディズニーランドを日本に持ってくるくらい困難だと言われました。それまで交渉した人たちは先方とビジネスライクに話を進めていたらしいのですが、私はビジネスの話を一切持ち出さず、好きなアーティストや音楽の話をしました」

すると先方は「今まで会ってきた日本人はすぐに契約の話をしたが、お前はオレたちが好きなアーティストや音楽の話をした。お前と組むことにする」と言ってくれて、トントン拍子に話が進んだという。相手が音楽を愛するクリエーター集団であることを意識し、最初の一歩を踏み出したことが成功につながった。

相手が何を大事にしているか、どんな嗜好性があるかを探り、自分との共通項を見つけ出すことも段取り上手に近づく大きな一歩なのだ。

▼ゴールまでの道のりを1つずつクリアしていく
目標を具体的な行動レベルに分解して落とし込み、1~5の順で遂行する
【1】リスト精査 ○ 過去実績の洗い出し
【2】電話によるアプローチ ○ ダイレクトメールの送付
【3】アポイント取得 ○ 初回訪問 ○ ニーズヒアリング
【4】提案内容の修正 ○ 見積書作成
【5】受注・契約
GOAL! 新規の顧客開拓
吉山勇樹(よしやま・ゆうき)
ハイブリッドコンサルティング代表取締役CEO
年間200日を超える企業研修・業務改善・プロジェクトコンサルティングなどを行う。著書に『残業ゼロ! 仕事が3倍速くなるダンドリ仕事術』など多数。
 
(写真=iStock.com)
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