オプションやプランの見直しだけでもかなりの節約

ただ、国民の誰もが「スマホの料金は高い」と不満を感じているのは間違いない。確かに、毎月1万円近い出費が少しでも下がれば、家計には優しくなるだろう。

とはいえ、政府や総務省、携帯電話会社の値下げをめぐる攻防を、指をくわえてじっと待っていても仕方ない。「スマホ料金に納得がいかない」と思ったら、すぐに行動に移すべきだ。

まずは、請求書をじっくりみて、自分が何にお金を払っているか分析しよう。余計なオプションに入ってはいかないか、毎月のデータ使用量と合っているプランを契約しているかを見直すべきだ。すぐにオプションを解約、契約を変更するだけで、かなりの節約効果が期待できる。

それでも、高いと感じるなら、とっとと携帯電話会社との契約を打ち切り、格安スマホを選択すべきだ。「この携帯電話会社、もう20年近く契約しているし」という未練は不要だ。確かに長期契約していれば、ポイントも貯まるし、割引も適用される。

「4割値下げ」が実行なら、ショップ網は激減する

格安スマホのほうが、毎月の支払いは確実に安くなるはずだ。ただし、格安スマホは、トラブルに遭遇したら自分で解決しなくてはいけないし、昼間の時間帯は、通信速度が遅くなるという弱点も存在する。その点を納得できるなら、月々のスマホ料金は一気に安くなる。

「いざという時はショップの店頭で何とか解決してもらいたい」という人は、大手携帯電話会社を使い続けたほうがいい。毎月の高額な通信料金には、ショップのお姉さんとお話するコストも含まれている。ショップの対応はボランティアではない。いざという時に頼りになるショップスタッフを支えているのは、通信料金なのだ。

もし「通信料金が4割値下げ」という事になれば、携帯電話会社はコストであるショップへの支援を辞めていくだろう。すると街中からキャリアショップが減り、いざという時に対応してもらえなくなってしまう。

つまり、4割値下げというのは、あまりに現実離れした、幻想のような話なのだ。4割下がれば、ショップ網は減り、ネットワークの品質も落ちていくだろう。

菅官房長官の4割値下げには期待せず、自ら行動を起こして、格安スマホに乗り換えるといった行動に移すのが賢明だ。

(写真=時事通信フォト)
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