外務省のボイラー室で起こった事件

【佐藤】会社が次々と倒産していったこの時期、中高年の自殺が社会問題となりました。片山さんの周辺で、自殺した人間はいますか?

【片山】うーん、案外いないかもしれません。どうやら自殺したらしいという感じでいなくなった人はいますが。

【佐藤】私の場合は、外務省に入ってから隣の課の人間が首をつったこともあるし、その一年上の人間も飛び降り自殺をした。練炭自殺した人間も知っている。周囲だけで5人はいます。

外務省には、陰険な官僚も多く、今で言うパワハラ上司のような人間もたくさんいた。「君はどうして仕事ができないの? 能力がないからできないの? やる気がないからできないの? その両方なの?」とひたすら問い詰める局長がいました。その部下だった東大出の官僚が明らかに精神を病んで、地下のボイラー室で首をつった事件がありました。

以降、外務省では、ボイラー室の隣にあるシャワー室で、排水溝から人のうめき声がするとか、夜中に青い手が出てくるとか、怪奇現象が噂されるようになった。

【片山】青い手が出てくるとは、また生々しい。

【佐藤】学校の怪談みたいですよね。

【片山】伝統的にそうなんですか?