最悪は、非正社員の処遇そのままで正社員の処遇切り下げ

日本郵政グループは正社員の処遇を削り、非正社員の処遇向上を図っているのでまだよいほうかもしれない。もっと恐ろしいのは非正社員の処遇はそのままにして「同一労働同一賃金」というお墨付きを得て、正社員の給与など処遇の一方的切り下げを行う企業が出てくることだ。

そもそもパートタイム・有期雇用労働法の趣旨は、差別や不利益な扱いを受けている労働者の待遇を引き上げることだった。労働者の待遇の引き下げに使われては本末転倒だ。男女差別を禁止する法律を逆手に取って、男性の処遇を引き下げて男女平等とすることが許されないのと同じことだ。

正社員の処遇を切り下げて非正社員と同じにするのは明らかな脱法的行為だ。今後そうした企業が出てこないか。注視したい。

(写真=iStock.com)
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