ストレスは解消するよりも活用する
ストレスを避けようとする傾向は、ストレスをうまく味方につけられない人たち、ストレスをうまく使えない人たちに共通して見られる特徴です。
ストレスが害になると考えている人は、ストレスと向き合わないようにしたり、見て見ぬふりをしたりします。あるいは、ストレスの原因となっている問題の解決には向かわず、買い物をしたり、甘い物を食べたり、お酒に逃げたり、一時的な「ストレス解消」に逃避します。
もちろん、これで本当にストレスが解消されることはありませんし、ましてストレスを活かすことなどできるはずもありません。
まずは、ストレスは活かせる、味方にできると考えること。その上で、自分にストレスがかかっている事実を受けとめること。そこで初めて、そのストレスの原因にどう対処するのかということが考えられます。
そこから、ストレスの原因を取り去る努力が始まります。その過程でも困難な状況はたくさん訪れるはずですが、ここでも「これをクリアすることによって、自分は成長できるんだ」と考えてさらに行動する。
どんなサポートやアドバイスが必要なのかを真剣に考え、本を読んだり先達の話を聞いたりといった情報収集をし、さらに実際の具体的な行動にとりかかって自分を変えていく。こうした実践によって、ストレスを上手に使えるようになっていくわけです。
ストレスからポジティブな感情を引き出そう
ストレスが害になるか、プラスにはたらくかは、その人の考え方次第です。大事なことは、ストレスを味方につけるために、「ストレスから学ぼう」という姿勢を持つことです。
それに加えて大事なのは、感情です。ストレスを感じて、筋肉が緊張したり、手に汗を握ったり、心臓がドキドキしたりといった体の変化を感じたとしましょう。そんなとき、今までだったら、「やばい、ドキドキしている! どうしよう」と思ったかもしれません。
そして、この「どうしよう」という危機感で、さらに心拍数が上がって、気がつけば呼吸もまともにできていない……なんて経験が、あなたにもあるのではないでしょうか。
けれども、「ストレスはポジティブな役割をする」というマインドセットによって、それまでとはまったく違う感じ方ができるはずです。「やばい、ドキドキしている! どうしよう」ではなく、
「心臓が今、一生懸命体中にエネルギーを送っているんだ。このストレスのおかげで自分はいい結果が出せるんだ」
「よし、問題にチャレンジするためのスイッチが入ったぞ」
というように、ストレス反応からポジティブな感情を引き出せるようになるはずです。ストレスをメンタル強化に活用する第一歩は、そこからなのです。