心理学者提唱の「だらしない自分を変える第一歩」
さらに加藤先生がすすめるのが、ネットやテレビで天気予報をチェックする前に、自分でその日の天気を予測することだ。窓を開けて太陽が照っているか、雲の様子はどうかを見る。湿度や温度を肌で感じとり、傘がいるかどうか判断する。空模様という非言語的な情報を分析するのは、右脳を使う格好のトレーニングだ。自分の目や皮膚で確認することで、ほかの人の意見や文字情報を鵜呑みにしている状態からも解放される。
ほかにも「駅からの帰り道で、いつもと違う角を曲がってみる」「利き手ではないほうの手で歯を磨く」なども、右脳を刺激する方法だ。つまり、ちょっと不便なことや、したことのないことをあえてしてみるのがトレーニングになるのである。
心理学者の諸富祥彦先生はだらしない自分を変える第1歩は、「タスクを細分化し、最初のひとつに手をつけること」だと言う。
「心理学的に言うと、やる気を出すのにいちばんいいのは、少しでいいから実際にやることです。そうすればやる気が出てくる。それをせずに四の五の言い訳をしていても時間がたつだけですから、まずは動くこと。最初の1歩を踏み出すのは大きいエネルギーがいるからこそ、まずやる」
たとえばいつも報告書の提出が遅れるとか、当日ギリギリになってしまうという人は、「締め切り2日前に必ず出す」と決めてしまう。「そうしなければいけない理由」や、「今、自分は報告書を書くのにふさわしい気持ちになっているかどうか」などは一切考えない。