麺類も甘味も「定番4品」が基本

現在のスガキヤのメニューを見てみると、麺類は「ラーメン」(320円)、「玉子入ラーメン」(370円)、「肉入ラーメン」(400円)、「特製ラーメン」(450円)から、季節商品の「ぶっかけ冷し麺」(390円)、「冷しラーメン」(490円)、「温野菜ラーメン」(450円)、「豚骨醤油ラーメン」(430円)と、一見多種多彩に見える。

だが実は、かなり商品提供を絞り込んでいるのだ。

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スガキヤの麺類メニュー

「麺類は定番商品4品+季節商品3~4品が基本です。店舗レイアウトやオペレーション、お客さまへの提供スピードといった視点からは、現状の商品数がスガキヤにとって適正だと考えています」(菅木寿一氏)

麺類の定番4品とは、前述したラーメンから特製ラーメンまでのことで、それ以外の豚骨醤油ラーメンまでが季節商品となる。定番4品の中身はトッピングの違いなので、実質的にはより絞り込まれたメニューといえる。定番ラーメンのスープを季節商品である「味噌ラーメン」「担々麺」「台湾ラーメン」などに応用して、独自の味を生み出すという。この商品設計は甘味にも応用する。

「甘味も同様に、定番商品4品=ソフトクリーム、クリームぜんざい、チョコクリーム、ベリークリームに加えて、季節商品2~3品を基本としています。定番メニューは基本食材であるソフトクリームのバリエーション展開で、夏季はそれにかき氷を追加します」(寿一氏)

甘味の共通食材は、同じソフトリームなので、訓練を積めばパートやアルバイト従業員でも均一の品質で提供できるようになる。それが寿一氏の語るオペレーションの意味だ。また、店舗レイアウトについて補足すると、道路に面した「路面店」や建物の中にテナントとして入る「ビルイン」であっても、スガキヤ店内の厨房はシンプルで、絞り込まれたメニューを提供しやすい構造となっている。

現在は、全売上高の約1割(夏季は約2割)を甘味が占めるが、スナック感覚で利用するお客が多い店にとって、甘味は欠かせない存在だ。余談だが、同社では新卒・中途入社に関係なく、新入社員研修ではソフトクリームの巻き方を学ぶという。