「えっ……はい」の「えっ」で即落ちる

「それを言ったら即終わり」といった回答は他にもある。

近年は若くして海外拠点に派遣する企業も多いが、内向き志向の学生も多いと言われる。面接では「海外に行かせても大丈夫なのか」という視点からチェックしている企業も多い。

自動車メーカーの採用課長は「海外で働きたいと思いますか、と聞くと『海外で仕事をバリバリやってみるのが夢でした』と答える学生は多いが、パスポートも持っていない、学生時代も日本各地を旅行した経験のない学生もいる」と語る。

英語力が高い学生は海外志向が強いともいえるが、それでも安心はできない。エンジニアリング会社の人事部長は学生のチェックポイントとして「インドネシアの奥地やアフリカに赴任できますか?」と聞いている。

「海外赴任と言えばアメリカやヨーロッパに行きたいと考えている学生がいるが、当社は新興国が圧倒的に多い。インドネシアの奥地と言われて、一瞬間を置いて、『えっ、はい』と、驚いた顔をするとか『何年ぐらいいるのですか』と聞いてくる学生はまずダメだ。ホンネでは行きたくないと思っているのは間違いない。行きたくない社員を無理矢理派遣しても現地に溶け込めないでノイローゼになって戻ってくる社員もいるからだ」

人事部長は海外で活躍するには語学力よりも、何事にも物怖じしない「胆力」が大切と指摘する。どんな面接でも付け焼き刃ではなく、担当者と堂々と渡り合える肝の太さを養うことが大事なのかもしれない。

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