“逆境”パート主婦にメリット大の特典とは?
しかし、最近の国の施策や方向性、企業の考え方などを考慮すると、専業主婦家庭に対する優遇制度は、いずれ廃止・縮小傾向にあるのは間違いない。
その時が来たときに、慌てて職探しをしても、あなたにぴったりの職が見つかるとは限らない(というかかなり難しい)。
であるならば、いくらで働くのがオトクかなど損得勘定にこだわるのではなく、今のうちから少しずつ、どう働くか・働きたいかを考え、準備しておくことが大切だと思う。
実際、優遇措置などがなくなった場合、働き方を変えるというパート主婦は少なくない。アイデムの人と仕事研究所が、パート・アルバイトで働く20代~40代の既婚子持ち女性356名を対象にした調査(2016年7月)によると、「配偶者控除や第3号被保険者などの税・社会保険制度が廃止されたら働き方をどうするか」という質問に対して、半数近い人が「働く時間を増やす」(45.5%)と回答している。
その一方で、「わからない」という回答も20.2%に上る。どう働けば良いのか分からず、対応に迷っている人々だ。こうした人たちに対しては、それぞれの働き方に対してメリット・デメリットをきちんと情報提供することが重要である。
そこでパート主婦などにメリットとなる制度改正をひとつご紹介しよう。
来年1月からスタートする「個人型確定拠出年金の加入者範囲の拡大」である。この改正によって、これまで対象外だった専業主婦なども加入できるようになった。
確定拠出年金とは、原則60歳まで毎月一定額を拠出し、加入者自身が株や債券など金融商品を選んで運用し、老後資金を形成する年金制度のこと。確定拠出年金のメリットのひとつとして、手厚い税制優遇がある点が挙げられる。
・毎月拠出する掛金は全額が所得控除(小規模企業年金等掛金控除)。
・運用益は非課税
・ 年金等の受取り時も退職所得控除等が受けられる。
といったメリットがある。