年収や家族構成によって陥りやすい「支出の罠」があるので、年収が高いからといって油断はできない。ファイナンシャルプランナーが教える「理想の家計バランス」をもとに、年代別「ダメ家計簿」にテコ入れしていこう。

パートで収入増でも被服費、食費がかさむ

妻がパートに出て収入増をはかっている、ある30代の家庭の家計簿。

「今後、子どもの手が離れたタイミングで仕事に復帰することも考えれば、保育園代がかかっても、今働きに出るという選択は正解」と黒田氏は語る。しかも、8万3000円とそこそこの額を稼げているので、一見問題ないように見えるが……。

「妻がパートに出ると、それによって家事の時間がとれなくなるので、食費はかさむ傾向に。さらに、『パートで着るための服代』や、『パート仲間との付き合いの食事会』など、専業主婦のときには不要だった出費も自ずと増えていきます。そういった部分を見過ごしていると、せっかくパートに出ても貯蓄はゼロ。それどころか赤字という本末転倒な結果に。この10月からは『106万円の壁』ができたので、いい加減な給料計算をしていると、手取りが減ってしまうことも」

「106万円の壁」とは、従業員501人以上の企業に勤めている場合、年間106万円以上働くと社会保険料の支払いが必要になるという制度。月8万3000円ならセーフだが、少しでも残業すれば超えてしまうラインなだけに、注意が必要だ。

黒田尚子
ファイナンシャルプランナー。個人向けの相談業務、セミナー・FP講座等の講師、書籍や雑誌・Web上での執筆など幅広く行う。近著に『50代からのお金のはなし』『がんとお金の真実』など。
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