企業、官公庁とのタイアップも
英会話関連の動画を配信するチャンネル「バイリンガール英会話 Bilingirl Chika」の吉田ちか氏は、メディアにも多数登場している専業YouTuberだ。同チャンネルの登録者は60万人を超える。
吉田氏は「広告料以外に、企業や官公庁とのタイアップも大きな収入源になっています」と話す。直近ではVISAカード、オーストリア政府観光局、ウィーン市観光局とのタイアップで、ウィーンの魅力を伝える動画を配信した。これまでに複数の航空会社やJR西日本、パラマウントなど様々なタイアップ動画を配信している。
また広告料についても「一般的な広告と同様に、視聴者を明確にターゲティングしていて高い広告効果が見込まれる動画は、広告料が高くなります」(吉田氏)という。YouTubeでの稼ぎ方には様々なパターンがあるようだ。
親子での商品紹介動画などを配信するチャンネル「まえちゃんねる」の前原氏は「広告料のほか、企業から依頼を受けた商品紹介や、イベント出演などの収入があります」と語る。まえちゃんねるの場合、「広告料の収入が全体の3分の2、残り3分の1がタイアップなどの収入です」(前原氏)という。
自転車関連の動画を配信するチャンネル「けんたさん」のけんた氏も、大手企業や自転車パーツメーカーから商品紹介の依頼を受けるという。さらにけんた氏は、2016年4月から自身でデザインしたオリジナルグッズの販売も始めた。「最初に帽子を2種類計100個作り、YouTubeに紹介動画をアップしたところ、数時間ですべて売り切れました」(けんた氏)。現在では、自転車用ジャージの販売も始めており、帽子と合わせて約400枚を販売したという。
前原氏とけんた氏は、サラリーマンとして働く“兼業YouTuber”でありながら、YouTube関連の収入がサラリーマンとしての収入を上回っているという。
料理関連の動画を配信するチャンネル「TabiEats」の場合、英語圏に向けて英語で語り、日本語字幕をつけている。「英語圏での再生のほうが、日本で再生されるより単価が高い、というのが英語で配信している理由の一つです」(TabiEatsのサトシ氏)。彼らはYouTuberを主な仕事としているが、動画を配信しているうちに「他のYouTuberから英語字幕用の翻訳を頼まれるなど、YouTubeをきっかけにした翻訳の仕事依頼が増え、大きな収入源となっています」(TabiEatsのシンイチ氏)。現在では広告収入と翻訳による収入の割合はおおよそ3:7だという。