最初に行くべきは眼科? それともメガネ店?
視力に違和感を感じたら、まずは最寄りの眼科を受診しましょう。単なる老眼で済めばいいですが、白内障や緑内障(他の記事で紹介予定)など、ほかの病気が隠れている場合もあるからです。平松医師によれば、その他にも先に眼科を受診した方がいい理由があるといいます。
「『自分は老眼かもしれない。リーディンググラスを作ろう』と思ったら、いきなり街のメガネ店に行って視力を測ってもらうこともできますが、まずは眼科医に診てもらい、メガネ用の処方箋をもらって、それをもとにメガネ屋でメガネを作る、というのが一番間違いないと思います。眼科では、目が疲れない度数に設定してくれるからです。
高いメガネ屋だからいいとか、安いメガネ屋だからダメということはないです。ただ、どうしたいのか自分から詳しく言わないと、相手の考えでメガネを作ってしまうんですね。メガネ店の中には、短期的な満足度を求めるために『よく見えるけれど疲れるメガネ』を作ってしまったり、あれもこれもと勧められて、つい要らないオプションを追加して、高いメガネを作ってしまうこともあります。疲れないことを重視したいとか、パソコン作業が多いとか、クルマを運転することが多いとか、『私はこうしたい』『こうやって使うことが多い』ということをはっきり伝えることが大切です」
気になるのは進行中の対応です。メガネの度が合わなくなってきたとき、再び眼科を受診しやすければいいですが、他の来院者に混ざって長時間待たされる場合もあります。処方箋にもお金がかかりますから、その点が心理的な負担になっている方もいるでしょう。この辺りは臨機応援でいいと平松医師はアドバイスしてくれました。
「視力を測りたいだけなのに、ほかの眼病患者さんに混じって長時間待つのは苦痛というのは確かに分かります。ですので、その場合はメガネを作ったお店で直接測定してもいいと思いますよ。1度作ったレンズの度数を変更するだけなので、疲れないことを意識すれば大丈夫でしょう」
気をつけたいのは、100円ショップなどに売っている格安のリーディンググラスです。「+1」「+2」「+3」といった度数で気軽に選んで購入できますが、ほんとうに自分に合っているとは言いがたいそう。
「ちゃんとしたメガネを新しく買うとお金がかかるから、安いものでも見えればとりあえずそれでOKとしてしまう方もいるようですが、本当はちゃんと合わせるものです。仕事でパソコンを使うとか、本を読むとか、書類の作業や文字を見る作業が多い人は、ちゃんと合わせて作ったほうが、疲労度が下がり労働効率も上がります」
最近は気軽に入りやすい格安のメガネブランドも増えました。おしゃれなリーディンググラスも扱っていますし、遠近/中近両用メガネも作れます。特に両用メガネは、昔のようにレンズの真ん中に線が入ったあきらかに両用と分かるメガネではなく、一見そうとは見えないおしゃれなメガネも当たり前になっています。また、度数が変わっても、保証期間内なら無料でレンズを交換してくれるところも。
次回は、リーディンググラスや両用メガネを作るとき、メガネ店と上手に付き合うコツを紹介します。