悪くすると、途端に仕事や生活に支障を来す「目」。そんな大切な目を、世間の人たちはどのようにケアしているのだろうか。「目に関する後悔」も含めて1000人に本音を聞いた。

目が悪くなっても、治療で満足度向上

目は起きている間は常に忙しく動き、視覚から得られる情報は人間が得る情報の80%以上を占めるといわれる“働き者”である。脳にも直結しており、人体で最も重要な器官の1つといえるだろう。にもかかわらず、そのメンテナンスやリスク管理について、あまりにも無頓着ではないだろうか。

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プレジデント誌が行ったアンケート調査(2019年5月実施)でも、「かかりつけの眼科医」はいるかという設問に対して、「いない」と回答したのは68.5%(図1)。「1年以内の眼科検診・健診の有無」についても、病院、学校や企業、自治体での検診も受けていないという人が58.1%に上った(図2)。ちなみに、「歯」については「かかりつけの歯科医がいる」人が70.8%、「1年以内に歯科検診・健診を受けている人」は100%だった(プレジデント誌19年3月18日号で実施のアンケート調査より)。

調査では、「目の状態」の満足度についても聞いた(図3)。「とても満足」と回答したのはたったの2.4%。「あまり満足していない」(47.2%)が最も多く、「まったく満足していない」(19.7%)を加えると66.9%、実に3人に2人が「目の状態」について不満や不安を抱えていることがわかる。

「満足」と答えた人は、もともと目が悪くない、不便は感じていないという人に加え、メガネやコンタクトレンズ(以下コンタクト)による矯正がうまくいっている、あるいは目の病気にかかったが手術で改善した、という人が多かった。中には「定期的に眼科医に通院して、目の健やかさを保っている」という意識の高い回答も見られた。

一方、「満足していない」人は、「老眼で見えにくい」「目の疲れがひどい」など、老眼や眼精疲労に関する悩みが多かった。老眼鏡やコンタクトなどが合わないという人も多く、「パソコンやスマホの字が読みづらい」「仕事に支障を来している」「化粧のときに見えにくい」など日常生活に不便を感じている人も少なくなかった。中には、「片目を失明」「裸眼ではほとんど見えない」という人もおり、QOL(生活の質)に深刻な影響を与えているようだ。

「過去にかかったことがある『目のトラブル、病気』」については、「近視」(60.5%)がダントツで、「乱視」(34.7%)、「老視(老眼)」(34.5%)が続いた(図4)。結膜炎、ドライアイ、眼精疲労なども上位に入ったが、「目の病気」といえば「白内障」(6.0%)と「緑内障」(4.8%)ではないか。