目は「脳に送られる情報の約8割」を得る器官。では、視力低下によって得られる情報が減るとどのような不調が起こるのか。「目の病気」のプロフェッショナルである医師2人に話を聞いた。「プレジデント」(2019年7月19日号)の特集「眼医者、メガネ屋のナゾ」より、記事の一部をお届けします――。
物覚えがよくなる、うつ傾向が改善する人も
「最近の目と脳の関連に注目した研究では白内障による視力の低下が、認知症にも関連しているらしいことがわかってきました。脳に送られる情報の約80%が目を通して入ってくるといわれます。その通り道である水晶体が十二分に役割を果たせないと脳の認知機能が低下する可能性は十分考えられるわけです」
こう話すのは、松本眼科角膜センターの加治優一医師。そもそものきっかけは、筑波大学と自治医科大学、群馬大学と共同で行ったアルツハイマー病とアミロイドβというタンパク質の研究だった。認知症を引き起こす原因の約6割を占めるというアルツハイマー病では、脳内にアミロイドβが蓄積するが、これと同じように白内障の濁りのなかにもたまることがわかった。
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