ドライアイの患者も多く足を運んでくる

綾木院長のもとには、目の渇きやかゆみを訴えるドライアイの患者も多く足を運んでくる。電子端末の画面を凝視することでまばたきの回数が減り、角膜に涙が行き渡らず起こる。そうなると目の表面が乾燥して、角膜も傷つきやすくなり、さらに症状が悪化する悪循環に陥ってしまう。

「コンタクトレンズの装着によるドライアイの患者さんも確実に増えています。痛みなどの自覚症状のつらさもさることながら、私の研究でわかってきたのは、集中力の低下を招きやすいということです。さらに、睡眠障害やうつ症状の発生も心配しないといけません」(綾木院長)

いずれにしても仕事や生活をするうえで目はかけがえのない器官だといっていい。だからこそ、目の病気にかかると、そのありがたさが身に染みて感じられる。40代も後半に差しかかるようになったら、少なくても1年に1回は専門医の検査を受けたほうがよさそうだ。

加治優一(かじ・ゆういち)
松本眼科 角膜センター
1994年東京大学医学部卒業後、同大医学系大学院修了。ハーバード大学マサチューセッツ眼科耳鼻科病院入局。筑波大学医学医療系眼科学准教授を経て現職。
 

綾木雅彦(あやき・まさひこ)
おおたけ眼科つきみ野医院院長
慶應義塾大学医学部特任准教授。1982年慶應義塾大学医学部卒業後、ハーバード大学医学部留学。昭和大学医学部准教授などを経て現職。
 
(写真=amanaimages)
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