意志あるところに道は開ける理由
私は、教育者やリーダーの役割を次のようにとらえています。すなわち「君が好きなこと、取り組んでみたいことは何か?」と聞くのではなく、「あなたの性格や能力から考えると、たぶん一番向いているのはこのあたりだと思う」と選択肢を提案することです。すると、強制しなくても、みずから行動を起こします。
思えば、子どもというのは本来、天真爛漫で自信満々だったはずです。それが、中学生ぐらいになると、「楽天家タイプ」ですら「世の中、そんなに甘くないよ」と考えるようになってしまいます。多分、日常生活において欠点を指摘され、ちょっとした夢に対しても大人の感覚で「無理だ」と繰り返し否定され、気持ちが縮こまってしまったのではないでしょうか。
そこでぜひ、自分だけでもいいし、できれば家族や職場の仲間と一緒に9タイプの判定をしてみてください。僕の過去の経験からすると、意外な結果が出ることが少なくありません。それをきっかけにして、何かにチャレンジしてみてほしいと思います。そうすれば何かが変わりはじめるでしょう。私がいつも、生徒たちに「意志あるところに道は開ける」と繰り返し話し、激励しているのはそのためです。
【1】完璧主義者タイプ
「理想」を確認し、それよりも大きな目標を伝え、一緒に計画を立てる。
【2】献身家タイプ
細かいポイントに一つ一つ感謝して行くと、どんどん前向きになる。
【3】達成者タイプ
いかに挑戦しがいのある課題かを伝えた上で細かい進捗チェックをする。
【4】芸術家タイプ
特別な存在であると伝えた上で、とりとめのないこの子の話をよく聞く。
【5】研究者タイプ
大げさには褒めないようにし、探究心に応える辞典類などを常備する。
【6】堅実家タイプ
「多くの人がそうしている」「前例がある」など安心させる伝え方をする。
【7】楽天家タイプ
夢物語でも良いので明るい未来や将来の話をして目標に挑ませる。
【8】統率者タイプ
指示をするのではなく、相談し、頼っているというスタンスで接していく。
【9】調停者タイプ
競争させたり野望を持たせようとせず、目先の小さな目標を設定する。
※“やる気”にさせるこれらの方法は、あくまでも一例です。
※『人間は9タイプ 子どもとあなたの伸ばし方説明書』より抜粋。
坪田塾塾長。累計120万部を突破し映画化された『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』(通称ビリギャル)著者。これまでに1300人以上の子どもたちを子別指導し、心理学を駆使した学習指導法により、多くの生徒の偏差値を短期間で急激に上げた実績を持つ。N塾社長でもあり、起業家としての顔も持つ。テレビ・ラジオなどでも活躍中。近著に『人間は9タイプ 子どもとあなたの伸ばし方説明書』(KADOKAWA)がある。