子どもの才能を伸ばすにはどうすればいいのか。学習塾を経営する坪田信貴さんは「幼いころにたくさん失敗をさせてあげたほうがいい。親が細かく口を出すよりも、失敗を見守ったほうが子どもは伸びる」という――。
※本稿は、坪田信貴『「人に迷惑をかけるな」と言ってはいけない』(SB新書)の一部を再編集したものです。
失敗する機会を子どもから奪ってはいけない
子どもの頃に小さな失敗を経験させてあげたほうがいい、とはよく聞く話だと思います。
でも、ほとんどの親は、子どもが失敗を避けられるように手伝ってしまいます。「水たまりがあるからよけなさい」も、よく言ってしまう言葉ではないでしょうか。
もちろん本当に危険なことは、先回りして教える必要があります。
「車が通るから端を歩きなさい」
「この道は見通しが悪くて助けを呼べないから、1人のときは別の道を通りなさい」
そう伝えるのは、親としての役目の1つでしょう。
しかし、なんでもかんでも先回りして、失敗する機会を奪うのは別の話。子どもにとってまったくいいことではありません。
「水たまりがあるからよけなさい」もよくない例です。
水たまりに入って靴や洋服がビショビショになったら、着替えればいいだけです。「スニーカーで水たまりに入ると、あっというまに水がしみ込んで気持ち悪くなるんだな」とか「足が冷えるとくしゃみが出てくるんだな」などと本人もわかります。
ちょっとやんちゃな子、よくない噂がある子などについて「あの子と遊ぶのはやめなさい」と言うのもそうです。自分の子どもが傷ついてほしくないから、心配だから言うのでしょうが、付き合う前に言うのはよくありません。
多少のトラブルがあっても、それを学びに変えていけばいいのです。