こういった環境だったから、失敗を恐れず挑戦し続けるベンチャー魂が育まれたのですね。僕はとても納得しました。
僕も出雲さんのお母さんを見習って、娘に対して見守る姿勢でいるよう努力しています。「これはやばいな、死ぬな」というもの以外は止めない。たとえばバカラの店でグラスを割る失敗をしても、弁償する! という覚悟でいます。
心はざわつきますけどね。見守るのはなかなか忍耐のいることです。
幼い頃の失敗が、大人になって活きてくる
水たまりがあればよけるように言われ、岩があったらどけてもらい、川には橋をかけてもらっていた子が、たとえば大学を卒業したら急に「もう大人なんだから独り立ちしなさい」と言われても、それは無理というものでしょう。
大人になったら、水たまりが海になっているし、岩が山になっている。大きな失敗をしたら死ぬかもしれないという厳しい状況だってある。そうなると、もうチャレンジができません。
子どもの頃にたくさん失敗をして、そこから学ぶことが大切です。子どものうちに小さな失敗をたくさん経験しておくほど、大人になってそれが活きてくる。
「うわー、水たまりじゃなくて海じゃん」って思っても、失敗を回避したりリカバリーしたりする能力が上がっているからチャレンジできます。たとえ大きな失敗をしても、メンタル的な耐性も上がっているから立ち直りも早いのです。
こういった、失敗を恐れずチャレンジできる力こそ、親が子どもにつけてあげたいと思うものではないでしょうか。それなのに、失敗のチャンスを奪ってばかりいるのが、現代の親です。
「みんなやっているよ」という"悪魔のフレーズ"
「みんなやっているよ」も、日本人が言いがちな言葉です。「みんなやっているんだから、あなたもやりなさい」ということですね。
国民性を比較するときによく出てくる「沈没船ジョーク」をご存じでしょうか?
世界各国の人々が乗った豪華客船が沈没しかかっており、脱出ボートの数が足りないので、船長が各国の人に何と言って海に飛び込ませるか、というものです。
アメリカ人に対しては「飛び込めばヒーローになれますよ」。イタリア人には「海で美女が泳いでいますよ」。フランス人には「決して海には飛び込まないでください」。ドイツ人には「規則ですので海に飛び込んでください」。
では日本人は?
そうです、「みんな海に飛び込んでいますよ」と言えばいいのですね。