社会性を教えるのは責務
――ユーチューバーになろうとする子供を心配したり、反対したりする親もいると思います。そうした親がいたらどう説得されますか。
【鎌田】親の心配というと「ユーチューバーで安定した収入や生活を得られるのか」だと思います。それこそ大学生が「就職せずにユーチューバーになる」と言い出したときはそうでしょう。でもユーチューバーになりたい当人と話をすると、「もしかするといずれ就職するかもしれないけど、楽しくていましかできないことをできる限りやりたい」という気持ちが強い。そこで私たちが個人の活動を会社としてサポートすることによって、安定した収入と生活になるべく近づけるようにしたいと考えています。
親御さんに「安心して下さい」とまではなかなか言えませんが、「子供が大学を卒業しユーチューバーとして上京するけどUUUMがあるから安心だね」と言ってもらえるようにしていきたい。たとえば私たちはクリエイターを育成するのはもちろん、クリエイターも社会人なので社会性の部分を教えてあげるのは会社の責務だと思っていて、クリエイターに対してコンプライアンス研修を行ったりしています。もし反対する親を説得するとすれば、こうした材料を使うことになりますね。
――今後、ユーチューバー市場は拡大していくのでしょうか。
【鎌田】「うん」と答えないと自分たちのビジネスを否定することになってしまいますね。昔はみんな大学を卒業したら良い企業に入社することを目指したところから、自分たちで起業する人たちも出てくるように変わってきて、その流れのなかでどこにも属さずユーチューバーになるという働き方が出てきました。
家のなかから簡単に動画配信ができるようになる一方、企業のマーケティング手法もテレビCMだけではなくさまざまな手法が出てきたなかで生まれた職業がユーチューバーです。ユーチューバーが良いか悪いかと一概に決めつけるのではなく、いまはそんな時代になっていることを理解していただけると嬉しいです。