看護師との両立ケースも

――ユーチューバーはどうやって収益を得ているのですか。

【鎌田】大きいのはやはりYouTubeからの広告収入です。それから企業とタイアップした動画制作やLINEスタンプ、Tシャツなどのアパレルグッズ販売、楽曲制作、テレビ出演料などです。

――YouTubeで集めた注目を活かして商品やサービスを展開する形でしょうか。

【鎌田】いえ、ほとんどが広告収入とタイアップで成り立っていて、グッズなどは稼ぎたいというよりもファンとのつながりのなかで「つくって欲しい」という要望に応えるニュアンスが強いです。もともと昔からやっているクリエイターは、GoogleがYouTubeを買収して後から広告収入がついてきた経緯があって、稼ぎたいからユーチューバーになったというより「面白いからやってみた」というのがスタートの人が多いです。それが12年にYouTubeのパートナープログラムが開放され、誰でも広告がつくようになりました。それもユーチューバーの増加が加速した要因の一つですね。

――定義にもよると思いますが、「ユーチューバーとして食えている人」はどれくらいいますか。

【鎌田】実際の数はわかりませんが、増えてきていると思います。当社に所属しているクリエイターは専属契約とそうでない契約があって、「食えている人」が月収30万円以上という基準だとすると専属のクリエイターはほぼ食えている気がします。もっとも今の仕事を辞めて専業のユーチューバーになることが必ずしも正しいとは思いませんし、いまYouTubeの「好きなことで、生きていく」キャンペーンに出演している関根理紗は看護師とユーチューバーという2つの仕事を両立させています。

――これからユーチューバーになりたい、ユーチューバーとして成功したい人はどうすればよいでしょうか。

【鎌田】とりあえず動画をYouTubeにあげてみましょう。携帯一つあれば誰でもできる時代じゃないですか。つくった動画を10人の人が見てくれるだけで嬉しいと思います。見てくれる人がいるから、じゃあ明日も動画をつくろう。あるいはコメントをくれた人のためにまた新しい動画を上げよう。そんな風に感動が積み重なって雪だるま式に増えていくことが、動画をつくり続けるきっかけになると思います。