「うちの子がファンみたい!」

――ユーチューバーが子供の人気を獲得したのはなぜでしょうか。

鎌田和樹
UUUM株式会社代表取締役CEO

1983年、東京都生まれ。19歳のときに携帯電話販売の世界に飛び込む。テレコムサービスにて携帯電話ショップチェーン出店を担当する。ソフトバンクショップを単月で100店舗ほど出店したこともあるという。店舗運営やアライアンスなどを経験後、2011年にイー・モバイル代理店の代表取締役を務める。その後、孫泰蔵氏と出会って衝撃を受け、ベンチャー企業に転ずる。2013年、HIKAKIN氏との出会いを期に独立する。同年10月、UUUM株式会社に商号変更。
UUUM>> http://www.uuum.co.jp/

【鎌田】面白いからでしょうとしか言えませんが、昔の小中学生が「昨日のガキ使見た?」「ひょうきん族見た?」と話題にしていたものが、いまは「昨日のHIKAKIN見た?」に変わり、あだ名の付け方も「お前、○○KINね!」になっています。その背景にはスマホの普及とスマートネイティブの増加があります。要はコンテンツがよく見られている場所がテレビからスマホに変わり、そこに一番登場している人物が人気になっている、みたいな。

――他にユーチューバーが人気化した要因はありますか。

【鎌田】私たちは仕掛けている当事者なので言いにくい部分はありますが、その一つにはテレビCMがあったと思います。日本では薬用シャンプー「アンファー」のCMが流れたことで、ユーチューバーと出会う人が広がり、YouTubeの「好きなことで、生きていく」のキャンペーンを機にテレビCMだけではなく、雑誌、屋外広告などのさまざまなメディアへの出演が増え、ユーチューバーに出会う機会が増えたと思います。

また、子どもへの発信が親に影響することもあります。私たちの営業活動では大人の方にご理解いただけないことが非常に多いのですが、自宅に私たちの資料を持ち帰ったときにお子さんから「パパ、なんでHIKAKINの資料を持っているの?」と言われて「うちの子がファンみたいなんだ。1回話そうよ」と電話がかかってきたりと、そんな入り方が多いです。

――大人にユーチューバーが理解されにくい状況はまだ変わっていませんか。

【鎌田】起業した当初は「ユーチューバーって何?」という反応だったものが、現在は「ユーチューバーは知っているけど、よくわからないんだよね」というニュアンスに変わってきています。もちろんマーケティングの専門家で情報の早い人はちゃんとわかっていて、従来のマーケティングでは刈り取れていないところを刈り取ろうというときにユーチューバーを使ったインフルエンサーマーケティングが有効な手法であると認識されていますし、すでにアメリカでは芸能人を使ったCMからユーチューバーの活用に変わってきているので、「この流れは日本にもくるだろう」ということで外資系企業にご利用していただいたりしています。