「東大卒で、米国ハーバード大学教育大学院修士課程修了という私の略歴を見ると、皆さんから『英語がお得意なんでしょうね』と言われるのですが、ハーバードの大学院に入学する前の年まで、じつは英語が苦手でした」
本山勝寛さんはそう話す。『16倍速勉強法』など独学について多数の著書を持つ人。本山さんは英文法とリーディングはできたと言うが「大学の講義でも、米国人が話す生の英語は全然聞き取れませんでした。読解力は大学生レベルでも、リスニング力は長い間、赤ちゃんレベル。大学卒業後、米国に1年弱の語学留学をしたんですが、最初の3カ月間は、学校はもちろん、普段の買い物でも現地の人の英語が聞き取れませんでしたから」。
その後、彼は英語が英語のまま頭に入ってくる、「英語耳が開く」体験を経て、リスニング力が飛躍的に上達し、ハーバード大学大学院合格をつかむ。独学で苦闘した日々を振り返って彼が痛感するのは、生の英語をできるだけ多く継続して聞くことの大切さ。
「単語の意味を気にしすぎず、最初は生の英語を聞き流すことが重要。でも、一般的なリスニング教材は、どれもありきたりで、つまらない。だから挫折してしまうんです」
独学というと本に頼りたくなるが、彼のイチオシは動画サイト「YouTube」の活用。そこから自分のリスニング力にふさわしい“教材”を正しく選び、くり返し聞く勉強法だ。
「市販のCD教材と違い、YouTubeの英語チャンネルは内容が多種多様なので、自分の好きなものを選べる選択肢がすごく多い。映像もついているので、それを見ているだけでも話していることの想像がつく」
最初のうちは聞き流すだけでよくても、それだけではやはり限界があると本山さんは続ける。