●帝京大学医学部 外科准教授 新見正則先生の場合
始業から1時間。メールの文面を考えたり、上司への報告書を作成したりと、朝から脳を使ったので、ちょっとコーヒーブレイクしよう、という人もいるかもしれない。
「間食、特に甘い物は禁止。社内をちょこまか歩くなどして、ともかく脂肪を燃やす練習を。脂肪が燃焼できない人は血糖値が下がると、すぐ食べて血糖値の低下を補おうとします。そして余った炭水化物は脂肪として貯えられてしまう。悪循環です」
デスクを見渡してほしい。手が届くところにチョコレートやせんべいがないだろうか。朝、せっかく歩いて少し運動をしたのに、そこで甘い物を食べてため込んだら意味がない。ここは無糖の飲み物だけで我慢だ。
「食べない代わりに、煙草で一息、という人もいるでしょうか、こちらも当然禁止です。間違いなく体に害。どうしても吸いたいなら、炭水化物同様、罪悪感を持つことです」
それではストレスが解消できず、リフレッシュできないという人も多いだろうが、新見氏はこう言う。
「ストレスは流す努力をすること。ストレスに強い心と体を作り、レジリエンス(復元力・元に戻る力)を鍛える。そのためには、『今日は間食を止められた』など、小さな目標でも達成して、ポジティブな気持ちを増やしましょう」
1981年生まれ。東京大学医学部を経て、ハーバード大学大学院修了。企業・組織の健康づくり調査・研究などを行うCampus for Hおよび、がん検診の受診率をあげる、キャンサースキャンの共同創業者。近著に『疲れない脳をつくる生活習慣―働く人のためのマインドフルネス講座。
1959年生まれ。慶應義塾大学医学部卒業後、オックスフォード大学大学院に留学、98年博士課程修了。2002年より現職。医学博士。漢方も使える臨床医、移植免疫の研究者でもあり、13年イグ ノーベル賞受賞。著書に『3秒でわかる漢方ルール』『長生きしたけりゃデブがいい』ほか多数。