▼何がなんだかわからない

(4)某カラオケチェーン店
ここがヘン! ⇒ KING OF SYSTEM

これは友人が見つけて私に送ってきてくれたんですが、あるカラオケチェーンの店名の下に書いてある「KING OF SYSTEM」という表示、これがどういう意味なのかさっぱりわかりませんでした。「カラオケの×人」という店名の英訳でもなく、その店が売りにしている選曲や音響についての解説にも結びつきませんし……。行ったことがない英語圏の人間にはカラオケ店と伝わらないかもしれません。こちらの企業の公式HPを見ると、英語での情報発信が丁寧にされているのに、もったいないような気がしました。

(5)某大手家電量販店
ここがヘン! ⇒ For Your JUST

大手家電量販店で見かけたスローガン「For Your JUST」の意味が全く理解できずにおります。語順を違えて「Just For You(あなただけに)」と伝えたいのでしょうか? 私に比べて日本語が堪能な夫は、商品を「Just right(ちょうどいい)」状態にするという意味なのかも? と解釈していますが、それでも意味が不明瞭です。日本人にはわかるんでしょうか。

▼誠実に見えない……?

(6)某大手日用品HP
ここがヘン! ⇒ Happy!

某大手日用品メーカーの公式HPの英訳版に、企業理念が掲載されていますが、そのロゴには「LOVE」が、また文中には「happy」や「wonderful」が多用されていて衝撃を受けました。企業理念なのにふわふわしていて、はっきりしないな……とネイティブは感じてしまいます。アメリカにある似たような大手日用品メーカー企業のHPを見ると対照的なのがわかるでしょう。企業理念は直接的で、顧客に焦点が合っています。企業理念ではまずはじめに消費者や顧客への責任が述べられ、その後に卸店や販売店、地域社会、従業員に言及されます。聞こえのいい言葉がずらずら並ぶことはありえません。この企業HPだけでなく、日本では「happy」や「wonderful」といった単語を商品名や街中の看板で目にすることが多いですね。日本人好みの単語なんでしょうね。

▼社名だからしかたない……?

(7)リサイクルチェーン店
ここがヘン! ⇒ H××D-OFF

さて某リサイクルチェーンの社名で店名でもある「H××D-OFF」ですが……社名なので変えたほうがいいなんて私の立場では言えないことをまずお断りさせてください。ただ、この言葉って男性器が元気な状態を指す「hard on」を連想させるものですから、どうしても性的なイメージが浮かんでしまいます。ほかにも元来ある地名などを冠する企業へ「英語的におかしい」と言うのはおかしいのですが、不運なことに英語圏の人が聞いて苦笑してしまう音と似た単語や地名ってあるんです。近畿が「kinky(変態)」、和光が「wacky(頭がおかしい)」に聞こえてしまうように……。そうそう、近畿大学は英文での名称を「Kindai University」に変更。これでヘンタイ大学?! と驚かれることがなくなるのではないでしょうか。

(和田佳久=撮影 原賀真紀子=通訳 時事通信フォト=写真)
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