大人向けが英国でも人気化
こうしたミスマッチに対応するため、短期でしか来られない30代以上社会人のみをターゲットにした語学学校なども登場しており、人気を集めている。お勧めはロンドンにある「EC London 30+」。筆者も実際に数回ここのお世話になったが、同じように英語の困難に直面している第一線のビジネスパーソンと出会うことができ、彼らの思考を知るのに貴重な体験となった。
ここでは短期で受講することを想定した授業の進め方になっており、同じ1週間であれば、すでに紹介したタイプの学校に比べてはるかに効果が高いと言える。そうはいってもグループレッスンであるため、個々人のニーズに沿わせることはまだ難しく、マンツーマンを受講すると1時間70ポンド(2016年3月時点、1ポンド160円換算で1万1200円)となる。
つまり、欧米留学で学べるものは英語以外にも多いが、ビジネスパーソンが急いで英語を勉強する環境として、語学の上達だけを考えると非効率な部分が多い。特に1カ月以下の短期留学の場合、自分のニーズに合ったものを既存のグループクラスから見つけるのは至難の業だ。もしこれを叶えようとすると「エンジニアコース」「エグゼクティブコース」「法律英語コース」などといったように分野の分かれた専門のコースを選ぶか、マンツーマンレッスンをとることになり、その額はとても個人では負担しきれないほどに高額だ。
例をあげると、100年の歴史を持つ老舗語学学校、ロンドンスクールオブイングリッシュでは、こうした分野別のプログラムを比較的少人数に向けて提供している。企業派遣で来る人も多く、質が高いと聞く。しかしその費用はクラスサイズ6名、1週間で1250ポンド(2016年3月時点、1ポンド160円換算で約20万円、プロフェッショナルビジネスイングリッシュの場合)となる。
同じようにニューヨークなどの主要都市にも、いますぐ英語が必要なビジネスパーソンがビジネス経験も豊富なネイティブ英語講師からマンツーマンで英語を学べるような場所があるにはある。効果も望めるだろう。しかし、上記のように費用の面から考えて自分で費用を負担して学ぶのは、筆者を含む多くに人にとってあまり現実的ではないように思える。