長期を念頭に置いたプログラム
しかし、読者のようなビジネスパーソンの需要に目を向けると、こうしたスタイルの学校は不向きな点が多い。15人平均のクラスでは発言機会が少なく、個々人の目的や学びたいポイントにフィットさせるのは困難だ。多くの語学学校にとってより利益を運んでくれる、最も歓迎すべきお客さんは依然として20代前半であり、その年次のニーズに合わせて長期で留学する人を念頭に置いたプログラムが組まれている。
ビジネスパーソンに許される留学期間は短中期というのが現状だろう。こうした学校を仮に2週間だけ受講した場合どういうことが起こるのか?
多くの学校は、1年を4つのセメスター(学期)に分けており、3カ月区切りで1冊のテキストを使っている。つまり2週間の受講では、使用テキストのうちのチャプター5~6のみを学んで帰る、というようなことが起こる。実際、テキストはよく考えられていて、途中からでも参加することはできるし、学校側もそう主張しているが、滞在するタイミングによって大きなあたりはずれがでてしまい、なにを学べるのかは「運次第」ということになってくる。
こうしたタイプの学校では1カ月でも「短期」であり、例えば、「現在完了にばかりフォーカスして留学期間が終わった」などということがあり得てしまう。悲惨な例としてはメイン講師が休暇期間の1週間だけ受講し、カバーする講師が時間をつぶしている(と感じるほどに授業の質が低かった経験がある)期間だけ過ごして帰った日本人がいた。英語の習得が急務である人にとって、こうした環境に大事な休暇や研修期間を投下できるだろうか。