やりたいことがあるのに、一つに決めきれないときはどうしたらいいか。心理セラピストの杉田隆史さんは「自分が腑に落ちないのに無理に決めた方針は、うまくいかない。決めるべきタイミングは相手にゆだねて、自分が腑に落ちるまで『一つに決めない』勇気が必要だ」という――。

※本稿は、杉田隆史『「なんだか生きづらい」がスーッとなくなる本』(三笠書房)の一部を再編集したものです。

辞表を持つ人の手
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「会社を辞めるか、辞めないか」の答えの出し方

今仕事はしているけど、他に「やりたいこと」がある。会社を辞めるべきか、それともガマンして今の仕事を続けるべきか、そんなふうに悩むことについて、少し考えてみましょう。

ここでは、無理なく「自分のやりたいこと」へとシフトしていく方法についてお話ししていきたいと思います。

人は、「やりたいこと」という話になると、「会社を辞めるか、辞めないか」とか、「海外へ行くか、行かないか」とか、「学校に入るか、入らないか」とか、すべてを二者択一で考えがちなんですよね。一つに決めないと「やりたいこと」ができないと思ってしまうようです。

でも「一つに決める」ということに対して、ある経営者が私にこんなことを教えてくれました。

「経営がうまくいっていない時って、何か『一つ』方針を決めたくなるんですよ。『強気の営業でいこう』とか、いや『少し引いた営業でいこう』とか。うまくいっていない時って、そんなふうに一つに決めでもしないと、その都度、迷っちゃってツラいんですね。