自分を苦しめる思い込みから解放されるには何をしたらいいか。心理セラピストの杉田隆史さんは「たとえばニュースや新聞を見て不安になったり、気分が悪くなったりするくらいなら、見ないほうがいい。世間ではそうするのが当たり前のように思われているが、じつは自分にとってマイナスな『思い込み』を気づかずにやってしまい苦しんでいるケースは少なくない」という――。

※本稿は、杉田隆史『「なんだか生きづらい」がスーッとなくなる本』(三笠書房)の一部を再編集したものです。

思い悩むビジネスマン
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「新聞を読まないなんて、大人じゃない」は本当か

私が小さい頃は、まだテレビが一家に一台の時代だったので、「チャンネル争い」ってものが存在しました。今考えると、なんか笑っちゃいますね。

私の家族でも時々、父と子供たちの間で「チャンネル争い」が起きましたが、そんな時、父はいつもこう言うんです。「大人はニュースを見なきゃダメだ」って。

今にして思えば、父は子供たちの見たいアニメなんかにまったく興味がなく、もっともらしい理由をつけて、自分の見たい番組を正当化したかったんだろうと思います。

でも、こういう言葉を繰り返し聞くことで、「思い込み」って生まれますよね。「あっ、大人になったら、ニュースを見なきゃいけないんだ」って。

それと似たようなことで、父は他にも「新聞を読まないなんて、大人じゃない」なんてこともよく言っていました。

だから私は、父から直接、「ニュースを見ろ!」とか、「新聞を読め!」とか言われてはいないのに、やっぱり大人になったら、「それぐらいしなきゃダメなんだな」って思うようになっていたんです。