30代以上のビジネスマン向け

第3回では、欧米留学について触れ、ビジネスパーソンが短期の留学で成果を挙げることの難しさについて紹介した。同時にセブ島留学の新潮流について取り上げ、激安を求めず、一流の講師陣と支払い可能な価格で学ぶ方法があると伝えた。第4回では、そうした新潮流の代表格であり、社会人の需要に特化しているMaster of Business English Academy(通称MBA)での体験について紹介していく。

今年4月にオープンさせたMBA渋谷校にて、今後の展望を語るMBA代表渡辺和喜さん。「タイではフィリピン人が正しい英語を教えてくれる先生として尊敬されています。日本ではまだフィリピン人と言うと残念なことに夜のイメージをもつ人がいる。それを変えていきたいんです。日本で働くきっかけを提供することで、セブの講師陣のモチベーションも上がっています。(上)/同じ建物の中にある寮は、ビジネスホテルのイメージに近い。部屋には衛星放送が映るテレビと冷蔵庫が準備されている。掃除も週に2回入り、バスタオルも清潔なものが提供される。リゾートのイメージではないが、十分に快適に暮らせると言える。(下左)/なぜ、シャワーの写真? と思うかもしれないが、これはセブ島ではとても重要なこと。ホテルでさえ十分な温度と水圧のシャワーに出会えないことがある。その点、ここのシャワーは日本製であり、日本クオリティーで完璧とは言えないが、ホテル以上だった。(下右)

MBAは基本的に仕事の経験があるビジネスマンのみを受け入れる社会人特化型の語学学校だ。代表である渡辺和喜さんもかつてセブ留学を経験したことがあり、その費用対効果に魅力を感じた。半面、学生時代から起業を経験していた彼にとって、同じ単語を覚えるにしても例文に恋愛の話ばかりが取り上げられる一般英会話の授業に不満を抱き、また教室や寮などの学習環境も改善の余地を感じた。

「自分が嫌だと思ったものをすべて取り除き、必要だと思うものを取り入れてこの学校をつくりました。例えば、セブにはまだまだ虫がでる寮なども多いのですが、個人的に大嫌いなので、徹底的に管理しました」。実際、滞在中にMBAでは虫を見なかった。

MBAには本気で英語を習得する意志のある大人が集う。なかには企業からの派遣で2カ月ほど来ている人もいた。起業家、投資家、転職の合間を使ってブラッシュアップにきているコンサルタントなどバックグラウンドはさまざまだか、ここでのこうした交流も醍醐味の1つになっているように思う。

ホテルやツアーなどでも言えることだが、ある程度の金額の学校であるということが、「真剣味」という意味での生徒のクオリティーを上げているように感じた。生徒数は、アットホームというほどに少なくはなく、顔が分からないほどに大きくはない。筆者の滞在時で30名程度だったと思う。適度な活気があった。