FinTechはベンチャーの躍進チャンス

世界有数の情報・データ提供会社であるトムソン・ロイターも、国外ではフィンテック・ベンチャーのエコシステム形成には積極的に参加している。THOMSON REUTERS LABSを運営している他、ここ1~2年だけでも6つのフィンテック・ベンチャー・アクセレレータープログラム(投資・サポート等)に世界11拠点で関わっている。教育機関等との連携プログラムも多い。

事業がBtoBなのであまり知られていないが、世界155カ国以上で5000以上の金融機関と4万以上の事業会社等に情報・データを提供している。プラットフォームはオープンな構成で、もともと無数のパートナー(ベンチャー)企業との連携が前提だ。トムソン・ロイター・グループの顧客網、データ・情報、そして産業ノウハウを上記ラボやアクセレレーター・プログラムで提供している。これから日本でも機を見て活動を検討している。

注目度が高いから、というだけではない。FinTechも含め、IT技術やWebの進化により、ベンチャーの事業運営そのものが“便利”になっている事実もある。Webでマーケティングや広告・集客を行い、仮想店舗で販売。顧客管理や会計もクラウドで。イマドキの事業運営には、場所・時間・従業員数・歴史等の障壁が下がっている。

FinTechによりベンチャー企業への金融サービスが改善、資金調達、財務・会計管理、そして決済もより便利になる。ベンチャー企業にとってこんな追い風があるだろうか? 挑戦と期待に胸が躍る。

おことわり:本コラムの内容はすべて執筆者の個人的な見解であり、トムソン・ロイターの公式的な見解を示すものではありません。

[脚注・参考資料]
[注1]トムソン・ロイター集計

渡邊竜士(わたなべ・りゅうし)●トムソン・ロイター・マーケッツ執行役員。1972年、東京都生まれ、米国育ち。96年慶應義塾大学総合政策学部卒、同年野村證券入社。99年スイス野村バンク、2006年野村證券グローバルヘッジファンドセールスなど、主に国際部門にて経験を重ねる。12年野村インターナショナル(香港)のマネージング・ダイレクターを経て、14年よりトムソン・ロイター・マーケッツに入社して現職。トムソン・ロイターの経営企画や営業戦略等を担当している。
→トムソン・ロイター・ジャパン ViewPoint http://viewpoint.thomsonreutersjapan.jp/
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