エコシステムの創造・整備・拡大に向けて
鶏が先か卵が先か? そんな悠長な事では無く、ベンチャー企業を取り巻く全方位的な「エコシステム」(生態系連鎖・循環、事業連携協業等)の創造・整備・拡大が必要。フィンテックの場合、規制監督業種である金融業との関わり合い、大手伝統的金融機関との連携、等の理由から特に「エコシステム」形成の必要性が急務だ。
幸い日本でもフィンテックへの関心が急騰し、VC投資会社、金融機関、IT・情報企業、システム・デベロッパー等だけでは無く、コンサルティング企業、広告代理店、教育機関、そして(街づくりの視点で)不動産会社までをも含めた取組みや、そのネットワーキングが見受けられる。
今年の2月には、三菱地所、電通、電通国際情報サービスによる協業事業としてFINOLABが大手町に開設された。運営は金融革新同友会FINOVATORSがフィンテック・ベンチャーの相談・指導を行いながら、政府や官公庁への陳情も含めて育成サポートにあたるとの事。
東京、大阪、名古屋等の証券取引所ビルのオーナー企業として創立された歴史を持つ平和不動産は、国家戦略特区の都市再生プロジェクトとして兜町や茅場町の再活性化に取り組んでいるが、資産運用会社やIR関連だけでなく、FinTech企業向け取組みも話題となっている。3月末にはカフェやワークスペースを東京証券会館のビルで提供するとの事。