金融業界を挙げて取り組みが必要な3つの挑戦
世界経済フォーラム(通称ダボス会議)の調査報告書The Future of Financial Services(直訳:金融サービスの未来;2015年6月)では金融サービスのイノベーションと将来像が176ページにまとめられているが、業界を挙げて取り組みが必要な挑戦として次の3つを挙げている。
・新しい金融商品・サービスは、既存の規制解釈からは不透明感が高く、(不本意な意味で)グレーゾーンにある
・ブロック・チェーン・プロトコールのような分散型システムは、金融サービスにおけるほぼ全ての過程を中抜きにする可能性を持つ脅威だ
・時代遅れのデジタル認証プロトコールは、サービス提供と消費者の両者にとってリスクであり、また、非効率である
3つのテーマについてはいずれも、引き続き複数のステークホルダーを含めた分科会で取り扱い、2016年には何らかの経過報告をする予定になっている。尚、前回このコラムでは日本への影響力が最も大きなFinTech分野として「決済」を取り扱ったが、その続きとして(上記3つの挑戦にも含まれている)ブロックチェーンについて説明したい。
因みに上記記述(ブロック・チェーン・プロトコールのような……)は私の個人的な日本語直訳になるが、原文は“Decentralized systems, such as the blockchain protocol, threaten to disintermediate almost every process in financial services” である。その衝撃の大きさが分かるだろうか。