2人の違いは翌週の予定組み

1週間を通して見た場合の沢渡さんと神吉さんの1番の違いは翌週のスケジュールについて。朝型の沢渡さんは前週末に普段の倍近い時間を取って翌週の予定をきっちり計画しているが、月曜の朝イチからフル稼働するためには重要なのだろう。夜型の神吉さんはどうかというと、なるべくスケジュールは緩めにしておき、その週の段取りがはっきりし始めた月曜の夜に具体的な予定に落とし込んでいる。仕事柄そのほうが、効率がいいという側面もあるようだ。また、仕事での会食をできるだけ週前半に固めている。もっとも、平日のオフの時間を個人的な執筆・講演会資料作成に充てている沢渡さんも、仕事の仕込みを兼ねた会食などに充てている神吉さんも、週後半は仕事に関係のない自由な時間に割り振っている点は共通している。

ところで、小林さん自身は朝型なのだが、だからといって夜型の残業を頭から否定するわけではない。

「私は毎朝5時に起床して、メールのチェックを行ったり、スカイプで会社のメンバーと会議を行ったりしています。自宅を出る時間が決まっている朝の時間帯は自ずと集中力が高まって、効率のいい仕事ができるようになるものです。ただし、夜型がすべていけないかというと、そうではありません。残業をするのなら、きちんと目的を持っていることが大切です」

神吉さんのお昼過ぎから夜にかけてのメーンの仕事は、クライアントやプランナーとの打ち合わせがほとんど。どの打ち合わせのときも神吉さんは、「1時間でプロジェクトの内容をここまで詰めて、次の課題を決める」といった目的を明確に持つようにしている。また、その目的を達成していくために、打ち合わせの前には参加者との連絡を密に取り、事前準備を整えたうえで、成果の出せる打ち合わせになるよう心がけている。だから疲労感を覚えることもなく、連日夜遅くまでの打ち合わせをこなせているのだろう。

また、小林さんは「アポイントメントは、自分を中心に考えましょう。たとえば『来週のいつがいいですか』ではなく『来週の月曜日のこの時間か、水曜日のこの時間ではどうでしょうか』と自分の都合に合わせて選択してもらうようにするのです」とアドバイスする。ちなみに神吉さんは、打ち合わせの参加メンバーの中心的な存在になることで、プロジェクト全体をコントロールできるように心がけている。

それとマネジャークラスになると、部下との対応にも時間を割かなくてはならなくなる。「普段から忙しそうにしていると、部下は“相談しづらい上司”と思ってしまうもの。その結果、何かトラブルが起きた途端に、『何で早くいってくれなかったのか』と後悔することになりかねない。これはマネジャーに責任があります。マネジャーはいつも時間に余裕を持たせ、部下が相談をしやすい環境をつくっておくことが大切です」と小林さんは釘を刺す。

沢渡さんは朝早く出社してワンテンポ早く仕事を進めることで、余裕のある時間繰りを行っている。一方、いつも外を飛び歩いている神吉さんは、自分のスケジュールを公開することで、何かあった場合にもすぐに対応できるようにしている。朝型も夜型もデキル人に手抜かりはない。

※お2人の詳しい1週間のスケジュールは【後編】で!

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