米国ではシェア11%にまで!

アメリカでのクラフトビール人気は数字としても明確に表れています。ビール市場全体に占めるクラフトビールのシェアは2014年には11%までに成長しています。2010年には5%にすぎなかったのでこの4年で倍以上へと急拡大していることがわかります(ちなみに日本では、まだシェア1%程度にとどまります)。

よなよなエール/コエドビール

ちょっと高くても、いいものを楽しみたいというニーズが生まれ、そこにワインにかわる「新しい旬な飲み物」として、日本においてもクラフトビールが一気に注目されるようになったのです。前回の地ビールブームが「地域活性化」の観点で語られることが多かったのに対して、今回はまったく異なる文脈で支持されていることがおわかりいただけたかと思います。

「よなよなエール」「コエドビール」など、以前の地ビールブームのときから存在し続けているブランドが今改めて業績を伸ばしていますが、決してその地域性をウリにしているわけではなく、大手メーカーの製品にはない味わいやブランドのたたずまいが多くのファンを魅了しているのです。

今回は、今クラフトビールが注目を集めている理由について見てきましたが、次回はこのブームは今後どうなっていくのかについて考えていきたいと思います。

 

子安大輔(こやす・だいすけ)●カゲン取締役、飲食コンサルタント。1976年生まれ、神奈川県出身。99年東京大学経済学部を卒業後、博報堂入社。食品や飲料、金融などのマーケティング戦略立案に携わる。2003年に飲食業界に転身し、中村悌二氏と共同でカゲンを設立。飲食店や商業施設のプロデュースやコンサルティングを中心に、食に関する企画業務を広く手がけている。著書に、『「お通し」はなぜ必ず出るのか』『ラー油とハイボール』。
株式会社カゲン http://www.kagen.biz/

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