自分から手をあげて仕事をつくる
振り返ると、私は最初に就職した日産自動車でも、勝手に手をあげて自分で仕事をつくっていました。
20代前半で北陸の自動車販売会社に出向し、セールスマンとして働いていたときには、新型車が発売になるたびに販売促進企画を勝手提案して、販売会社のイベントを仕切っていました。本社に戻り、人事セクションで営業部門の教育を担当していたときには、消費者リサーチのプロジェクトに参加したり、新型車の販売プロモーション企画をつくったりもしました。
何か深い考えがあって二股、三股をかけていたのではありません。そのとき興味があることに心のままに突っ込んでいったら、いつのまにか仕事になっていたというのが実態です。
私にとって幸いだったのは、日産がはみ出し者を排除しない社風を持っていたことでしょう。部下が自分の部署と直接関係のない仕事をしようとすると、上司が「余計なことをするな」と止めに入る会社もあると思います。しかし、当時の日産には、むしろ「どんどんチャレンジしろ」という空気があった。そのことには本当に感謝しています。
面白そうなテーマがあれば、越境して首を突っ込む姿勢はいまも同じです。「自分は○○だから、これしかやってはいけない」という思考は自分の可能性を狭めるだけです。もっと自由に行動すべきです。