運をよくする行動習慣とは?
自ら行動を起こすことで、成功の確率は大きく変わる。まさに運はコントロールできるのである。さらに横山さんは、「水面下で応援してくれる人を増やすことで、幸運を引き寄せることができる」と断言する。
「結局、会社で上位20%に入れるかどうかは周囲の人に応援してもらえるかどうかにかかっています。会社は、平等を掲げているわけじゃない。人事権を持った人が給与や昇格を決めているわけです。つまり、その人にいい印象を持ってもらわないといけない。運をよくするには相手に好印象を持ってもらう必要があります」(横山さん)
それでは自分を評価する人にだけ、いい印象を持ってもらえばいいかといえば、それも違う。人間は常に全方位から観察されている。誰彼となくいい印象を与えておくことが大切だ。
「こう言うと、『自分は実力で勝負するから、そんなことは関係ない』と反論する人がいます。しかし実力社会といわれるアメリカですら、リーダーは一緒に働く人を喜ばせることにものすごく腐心している。だからこそ部下は『この人のために一生懸命働こう』と思うわけです。言い換えれば運とは、常日ごろの自分の行動の結果なのです」(横山さん)
実際に横山さんは、こんな事例を見ている。
「どちらも将来を嘱望されていた2人の男がいました。それぞれ時期は違いますが、2人とも部下がコンプライアンス違反を犯したことがあったのです。1人は遠くへ飛ばされ、二度とエリートコースに戻れなかった。もう1人は厳重注意で終わりました」
人間が処分を下すときの物差しなど、あってなきがごとし。心証が大きくものをいうのである。横山さんは言う。
「重い処分を受けた人は、自分は運が悪かったと思いますよね。それは不運に違いないけれど、たまたまじゃない。日ごろの周りの人とのコミュニケーションが影響しているということです」
運をよくするのも悪くするのも自分次第。運をうまくコントロールして、よい人生を送りたいものだ。
1968年、山形県生まれ。東京工業大学理学部数学科卒業、同大学大学院修了。東京工業大学世界文明センターフェロー。主な著書に『感動する!数学』『面白くて眠れなくなる数学』など。
オフィス・フォー・ユー代表取締役 横山信治(よこやま・のぶはる)
1982年、日本信販(現三菱UFJニコス)入社、全国トップ営業マンに。2001年ソフトバンクファイナンスに転職し、日本初のモーゲージバンクSBIモーゲージ設立。同社役員を経て、14年4月独立。