【送信編】約6割が「文章の書き方」に不安を感じている
まずは1日あたりの送信数を見よう。20通以上送信している人は1.7割(図12)。1日あたりの受信数(図7)では20通以上受信している人は約半数だったことから、送信メールは受信メールより少ない傾向が読み取れる。情報共有のためにCCやBCCが多用される傾向にあり、返信が不要なメールも含まれていることも一因だろう。
では、返信が必要なメールにはどう対処しているのだろうか。
返信している期限を尋ねると約9割が「1日以内」に、4.1割は4時間以内に返事をしていた(図13)。「返信を望む期限」(図9)と比較すると、返信が欲しいタイミングよりも早い時点で返事をしていることがわかる。この結果からも頻繁にメールを確認して、できるだけ早く返事をすることがビジネスパーソンにとって習慣化している実態が垣間見える。
ちなみに1通書くには3人に1人が「5分以上10分未満」と回答(図14)。仮に1通書く所要時間が7分だとすると、1日10通のメールを書いている人は、70分費やしていることになる。1通あたりのメールを書く速度が仕事の成果に直結する時代なのだ。
メールを書くのに時間がかかってしまう背景には、6割以上の人が書くことに不安を感じていることがある(図15)。不安に感じる内容には「文章の書き方」「敬語の使い方」など、書き方の基本が並ぶ(図16)。逆に考えると、基本を押さえれば、メールに対する不安の多くは解消されるといえよう。
平野友朗(ひらの・ともあき)
一般社団法人日本ビジネスメール協会代表理事。筑波大学人間学類(認知心理学専攻)卒業後、広告代理店勤務を経て現職。個人のメールスキル向上から組織のメールのルール策定、メール処理の効率化による業務改善などに取り組むかたわら、官公庁や企業、学校や団体からのオファーでコンサルティングや講演、研修も行う。