少なくとも2つ以上得意分野を持て
営業職の必須要件はフットワークとコミュニケーション力。体力的にもきつくなる40代は致命的欠陥を抱え、若手にはかなわない。
「営業のプロとして生き残るには、培った人脈とノウハウを若手に伝授しながら育てるコーチング力やチームマネジメント力を身につけることだ。これまでの経験を言葉にして語るようにするなど、社外の勉強会などを通じて学習する。昇進できなくても、営業部内では頼りにされる存在になる」(同人事部長)
営業職以外でもエキスパートとして頼りにされるには、少なくとも2つ以上の得意分野を持つことが必要だ。IT企業の人事部長は、会社にとって必要なスキルでなければならないと指摘する。
「会社の組織課題が何であり、今後どう変化していくのか。会社が新しいステージに移行したときに、自分はどんな存在であるべきかを常に意識し、求められるものは何かを常に考えて身につけることだ。開発職であれば、5年先に海外展開したときに、当然英語力が求められるだろう。ただし、語学だけでもだめで、部門共通に必要となるコンプライアンスや法務の知識など、先を読んで身につけておくことも大事だろう」
エキスパートとして生き残るには常にリスクヘッジを心がけることだ。前出の金融業の人事部長は「自分に保険をかけることを忘れないこと。しかもどの保険商品がよいかは年代によって異なるように、会社の状況や自分の置かれた環境によってやるべきことを常に見直す柔軟性も必要だ。求められる知識や資格をその都度身につけることが大事であり、得意分野があることで職場内で頼りにされる基盤を確立しておくことだ」とアドバイスする。