もはや逆転出世の可能性がない中高年諸君よ、ここで腐ってはいけない。上手に定年までぶら下がる方法を伝授しよう。

深刻なポスト不足と管理職の若返りの中で40代社員の出世はかつてなく厳しい。とあるIT企業の人事部長は「昇進が可能な課長の年齢は36~37歳。課長職を5年、次長職を5年経験しないと部長になれない。40歳で課長になったとしても、降格はあってもそれ以上のポストに就く確率は極めて低い」と指摘する。

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40代から昇進の希望があるのは「部下あり管理職」のみ!?

40歳以降の社員はライン管理職、部下なし管理職、一般社員の3層に分かれるが、ライン以外はほとんど出世の芽がないということになる。日本マンパワーの調査でも「昇進の可能性を感じている」人は部下なし管理職で34.5%、一般社員は23.5%(図参照)。大多数にあきらめムードが広がっている。

しかし、出世競争で火花を散らすライン管理職も決して安泰ではない。仮に花形部署で活躍し、誰もがうらやむ成績を挙げているときこそ落とし穴がある。別の金融業の人事部長は言う。

「新規開拓の営業でトップになり、周囲も高く評価しているときが一番危ない。本人は有頂天になっているが、じつは今のメンバーだからトップになれたのであって、会社の指示で売れる商材を売っているから売れたのだとは考えない」

うまくいっているときほど自信過剰になり、努力を怠る。そんな人間が極めて多いという。

「そしてメンバーが変わり、売りにくい商材を売らなければいけなくなると必ず失速していく。結果的に出世争いに敗れて、降格するはめになる」(同人事部長)

むしろ調子がよいときほど危機感を持って5年先を見据えた自分の武器をつくることが大事だと指摘する。そしてポストの争奪に明け暮れるよりも、エキスパートとしての腕を磨くことが生き残る秘訣だという。といっても営業のプロフェッショナルとして生き残るのは容易ではない。