ところで立体の模倣品といえば、昨年6月、あるイベントに偽ふなっしーが現れて警察に事情聴取されるという珍事件が起きた。こうした混乱を防ぐために、ゆるキャラを立体商標登録することはできないだろうか。
ゆるキャラの着ぐるみをカーネル・サンダース人形のような広告宣伝用の立体商標としてとらえるなら、第一のルートで認められる可能性はある。ただ、それによって広告宣伝しようとする商品やサービスの特定が必要だ。現状では、その対象がやや曖昧なケースも多い。
一方、第二のルート、つまりぬいぐるみなどの商品として登録しようとすると、使用期間や数量などの条件を満たす必要がある。ゆるキャラにはスーパーカブのような歴史や実績がないため、現状で登録は困難だろう。
当面、ゆるキャラの権利は、著作権など他の方法で守るのが現実的だ。しかし、それも万全ではない。
「現在、キャラクターに関する利益を包括して保護する法律はありません。商標法、意匠法、著作権法、不正競争防止法などで個別に保護を図るのが現状です。これらは、守備範囲がきれいに分かれているわけではなく、重なる部分があったり、逆にどの法律にもカバーされていない部分もあります」(同)
キャラクタービジネスは、クールジャパンを掲げる日本にとって期待の高い分野の一つ。率先して法整備を図る必要があるだろう。