朝食を抜くと「気が散る」率もぐんとアップする

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「朝食の重要性」を知らしめた伝説の調査結果。※香川靖雄ほか「栄養学雑誌38巻P.283」(1980年)をもとに編集部作成。「成績順位」は、各グループの得点を平均したもので比較。

朝食を食べた学生ほど、テストの成績がいい――。この調査結果を、香川先生は論文にまとめて公表する。しかし、約30年前はあまり信じてもらえなかったという。

「当時は栄養がそれほど大きな意味を持つと考えられていませんでしたからね。でも、その後、朝食と成績の相関を示す研究が国内外で続々と発表されて、いまでは疑問を持つ人は少なくなりました」

事実、朝食と成績の相関は、その後、さまざまな調査によって裏づけられている。たとえば実践女子大の中川靖枝教授の実験もその1つだ。同大学付属の中学1年生と高校3年生を対象に、15分の連続足し算を5分の休憩をはさんで2回行ったところ、「気が散る」と答えた生徒は、朝食摂取時が33.3%であるのに対して、朝食欠食時は52.5%に。また間違いも、朝食欠食時のほうが多かった。

文部科学省の調査でも、朝食と学力の相関は明確に出ている。「平成21年度全国学力・学習状況調査」によると、全国の小学6年生で、朝食を毎日食べている子供は「国語A」の正答率が71.3%だった。それに対して、まったく食べていない子供は53.2%。朝食を食べるかどうかで、18.1ポイントの差が開いた。他の教科も同様で、朝食を毎日食べている子供のほうが、約17~18ポイント高かった。

朝食によって差が出るのは学力だけではない。文科省の同じ調査で小学5年生の体力と朝食の関係を調べたところ、男子・女子とも、朝食を毎日食べている子供のほうが体力テストの点数が高かった。朝食を食べている子供のほうが、知力・体力ともに優秀なのだ。