高山弁護士は、「法廷に持ち込まれる前までの段階で、決着をつけることが大事だ」という。
そのためには、まず、取り締まりに納得がいかなければ、反則金の支払いを拒み、即刻クレームをつけること。路上であって声を張り上げ、堂々と不満をぶつけることが肝要だという。民間の駐車監視員による検挙の場合は、警察への情報伝達にタイムラグが生じうるため、先回りして警察へも電話で「やむをえない事情」を念押しして、担当者の名前を控えておくのがベスト。日数が経ってからの連絡では、「誰かに知恵をつけられた」と勘ぐられて、警察官の心証が悪くなる可能性がある。
証人を確保しておくことも大切だが、ひとりで運転していた場合が問題だ。近くの商店等に駆け込み、路上駐車の事情を説明し、トイレを借りられれば証人になってもらえるかもしれない。それが困難でも、誰かに電話をかけて状況を伝えておくのが効果的。身内や友人が証人では、証言の信用性の点で一歩後退するが、いないよりはマシである。
また、手元にある紙片に「トイレに行っています。すぐ戻ります」と記し、ダッシュボードに置いておくだけでも、駐車違反取り締まりに対する牽制効果はゼロではない。
とにかく、現場での「必死さ」「真剣さ」が、緊急状況をアピールするためのカギだといえそうだ。お世辞にも客観性のある基準とはいえないが、もともと交通違反取り締まりとは恣意性を排除できない側面がある。駐車違反などの道路交通法違反事件については、警察関係者の間で「揉み消し」が横行しているといわれて久しい。裏を返せば、交通違反は揉み消しても問題がない程度の犯罪だと、警察官自身が認識している何よりの証左である。そこに、やむをえない違反を取り消してもらえる可能性も出てくるのだ。