「闇雲に台数だけを増やそうとは考えていない」

決算発表と同時に新中期経営計画「際立とう2020」を発表した。

その中期経営計画は「際立とう2020」という名称で、2020年のあるべき姿を示したもの。大きくはないが、強い特徴を持ち、質の高い企業を目指そうというのだ。具体的には、お客さまからの信頼ナンバーワン、高いブランド力、業界高位の利益率、販売台数110万台プラスαの4つの目標を掲げる。

「闇雲に台数だけを増やそうとは考えていない」と吉永社長は強調し、2つの活動に集中していくという。その2つとは、スバルブランドを磨くことと強い事業構造を創ることだ。 

特にスバルブランドを磨くについては、「安心と愉しさ」を追求するために、新設計の次世代プラットフォームSGP(Subaru Global Platform)を2016年に投入し、水平対向パワーユニットの次世代化を進めて全車社直噴化に刷新する。そして、デザインについてはダイナミックとソリッドをデザインコンセプトに、一目でスバルとわかるデザインにする。また、遅れている環境対応に関して、PHV(プラグインハイブリッド車)を2017年頃に投入する。

「社内に対しては、商品で守りに入るなといっている。やはりうちみたいな会社はチャレンジし続けていかなければいけない。商品で守りに入ると、逆に売れなくなってしまう可能性が高い。開発チームにはのびのびやらせたいと考えている」と吉永社長は話す。

いずれにしても富士重工は、今後さらに個性を追求し、“際立つ”企業を目指して邁進していく方針だ。

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