なぜマー君はメジャーを目指すか

写真=時事通信フォト

人として何か事をなそうとすれば、「のめり込む」力が必要不可欠だ。ほどほど、そこそこというのは、のめり込んでいないことを意味している。

だから、「ほどほど感」から脱却し、100%の力を発揮するためには、何かに思い切りのめり込まなければならない。のめり込むからこそ、仕事の質は深まり、能力はさらに磨かれ、並の努力では到達できないレベルに達することができる。のめり込むことさえできれば、当然、結果もほどほどやそこそこではなくなる。

「そんなことは言われなくてもわかっている。のめり込むことができないから、“ほどほど”なんじゃないか!」という反論もあるだろう。こうすればのめり込むことができるという明確な答えを私も持っているわけではない。

しかし、間違いなく言えるのは、明確な目的意識を持ち、高い目標を自分自身に課すことがなければ、「のめり込む」ことなど不可能だということだ。70%の力では達成できないゴールを定めなければ、100%の力を発揮しようなどとは思わない。

ダルビッシュやマー君がメジャーを目指すのは、そうした“場”を求めてのことだ。メジャーリーガーになることが彼らの目的ではない。闘争心に溢れ、高いレベルの環境に身を置き、ワールドチャンピオンを目指すことが彼らの目標であり、のめり込む力の源泉だ。

マー君にとって連勝記録はすでに過去の栄光だ。自分の過去を捨て去り、自分自身を思い切りストレッチさせることができる環境を求め続ける。そうした人間は「ほどほど感」とは無縁だ。