強いメンタルを手に入れるには、何をすればいいか。古典教養アカデミー学長の宮下友彰さんは「僕が新規営業をしていたとき、折れないメンタルをつくろうと『マレーシアに行き、路上で現地の人に声をかけ、マジックを見せる』ということを思いつき、『100人に見せるまでは日本に帰らない』という目標を掲げて現地に向かった。しかし、数十人に断られ続けると、気が滅入ってくる。そんなとき、僕を救ってくれたのが、ドン・キホーテの眩しい姿だった」という――。

※本稿は、宮下友彰『不条理な世の中を、僕はこうして生きてきた。知っているようで知らない「古典教養の知恵」』(大和出版)の一部を再編集したものです。

空港で荷物を持って歩くビジネスマン
写真=iStock.com/Tijana Simic
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本を読んで道端で大笑いをしている青年が目撃

「自分が主人公になってもいい」
――挑戦するときに奮い立たせてくれた言葉

一発芸をして有名になる芸人をよく見ますが、その一発芸が数百年後にも残っているかと言われれば、かなり怪しいのではないでしょうか。

でも、それでいいのではないかと思います。

「笑い」というのは、その当時の人たちを笑顔にできればいいものですし、喜劇というのも、当時の人たちを笑わせるために書かれたものです。

今回は、そんな喜劇の代表作を紹介します。

今回題材にする小説『ドン・キホーテ』が出版された当時、その本を読んで道端で大笑いをしている青年が目撃されているほどのブームとなりました。

そんな喜劇が数百年もの間、語り継がれているのは、喜劇にもかかわらず、僕らに教訓を与えてくれる稀有な作品だからです。

では、『ドン・キホーテ』から何を学べるのかを見ていきましょう。